ジェネリクス(Generics)は、プログラミング言語において、異なるデータ型に対して汎用的なコードを記述するための仕組みです。ジェネリクスを使用することで、特定のデータ型に依存しない再利用可能な関数やクラスを作成できます。これにより、型安全性を保ちながら柔軟で抽象化されたコードを記述することができます。
ジェネリクスは主に以下の場面で役立ちます:
1. **コードの再利用**: 同じロジックを異なるデータ型に適用する場合、ジェネリクスを使うことでコードの重複を避けられます。
2. **コレクションやデータ構造の汎用性**: 配列、リスト、スタック、キューなどのデータ構造を、異なるデータ型で使用する際にジェネリクスを利用できます。
3. **関数の汎用化**: 特定のデータ型に依存しない関数を作成する際、ジェネリクスを使用して関数のパラメータや戻り値の型を柔軟に扱えます。
例を挙げて説明しましょう。以下は、ジェネリクスを使用した TypeScript の関数です。
```typescript
function identity<T>(arg: T): T {
return arg;
}
// 型推論により、number 型を引数に与えると number 型を返す関数として解釈される
let result = identity(5); // result の型は number となる
```
この例では、`<T>`がジェネリック型パラメータを表し、`arg`の型と戻り値の型が同じ型 `T` となるようにしています。関数呼び出し時に具体的な型が指定されることで、関数内部での型安全性が確保されます。
ジェネリクスは、型安全性を維持しつつ柔軟で再利用可能なコードを書くための強力なツールです。
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